2009-01-01から1ヶ月間の記事一覧

'jp78'タグの「83入替え」サポートをめぐって

JIS83では、1981年の人名用漢字追加で略字の「尭」「槙」「遥」「瑶」が採用されたことを受けて、下図のような文字の追加と移動が行われた。 しかしOpenTypeフォントの'jp78'タグは、下図のようなグリフ置換をサポートしていない。理由は不明。 この謎の仕様…

PC 98文字セット(Ext)固有の文字

前回の註で触れた「PC 98文字セット(Ext)固有の文字」について。CIDフォントはPC 98をサポートするために、[Ext]という文字セット(CMapテーブル)を持っていた。 システム外字を別にすれば、[Ext]は基本的にJIS78の第1刷を参照しており、「冑」に限っ…

メイリオの'jp78'サポートは間違っている

メイリオはJIS04基準フォント(JIS X 0213:2004の例示字体を参照して設計されたフォント)だが、'jp78'タグのサポートにおいて「JIS90基準フォント用のテーブル」をベースとしているものと思われ、その結果混乱が生じている。*1 下図は、「JIS90基準フォント…

Adobe-Japan1-5で追加された18のグリフ

上のエントリで取り上げた「AJI5追加グリフ」は、AppleがAPGSで区別しなかった違いをAdobeが拾った例だけあって、かなりわかりにくい差異を含む。 そこで、一目で違いのわかる図を作ってみた。赤字はAPGSでUnicodeの符号位置との対応を持っていたグリフ、青…

Adobe-Japan1-5追加グリフとメイリオ

Adobe-Japan1-5のCID+20299からCID+20316は、JIS X 0213の例示字体をより忠実に再現するためにAdobeが追加した(Apple Publishing Glyph Setには含まれない)グリフである。以下、これら18文字を「AJ15追加グリフ」と呼ぶ。 AJ15追加グリフはすべて、Unicode…

メイリオの'jp90'グリフの「逆転」

Adobe-Japan1-5とメイリオの漢字をCID/GIDの並び順によって対応させたとき、メイリオでは'jp90'グリフのうちのいくつかが、Unicodeマッピングも含めて「逆転」している(前回のエントリで触れた「靱」のケース)。以下の図において、メイリオと小塚明朝の横…

メイリオとAdobe-Japan1でUnicodeとの対応が異なる漢字

メイリオとAdobe-Japan1-5の漢字レパートリを構成する各グリフは、概ねGID、CIDの並び順によって対応付けことができる(下図。メイリオの第1水準漢字は頻度順なので並びが違う)。が、いろいろややこしい例外が存在する。 たとえばAdobe-Japan1では、「筆押…

モリサワのメイリオ準拠フォントとメイリオとの不一致

メイリオはJIS04の例示字形を参照してデザインされたフォントであり、また、そのグリフセットの漢字レパートリはAdobe-Japan1-5を参照していると考えられる。では、'jp04'グリフがAdobe-Japan1-5の範囲に含まれない例について、メイリオではどうなっているの…

メイリオ独自の漢字グリフ

Adobe-Japan1とメイリオの漢字を比べてみると、「メイリオ独自のグリフ」と言えそうなものが、いくつか存在する。「モリサワのメイリオ準拠フォントが区別している差異」を一応の基準として、メイリオ独自の漢字グリフを列挙したのが、下図。*1 図の左端がメ…