Unicodeで見る各国の十二支
- もうすぐお正月だし、こんな図を作ってみたんだけどね。
- 十二支ですか? いろんな国の十二支?
- そうそう。実はこれ全部、「どこの国の十二支の何番目の動物」という情報まで含めて、Unicodeのコードチャートに載ってるものなんだよね。
- いちばん左の列が標準的な十二支ってことですね。
- うん。日本だと、12番目のイノシシだけが独自仕様だな。それが標準仕様だとブタ。
- よくわからないけど、そうなのかな。
- このペルシアのネズミは、どうして小さいんですか? 標準仕様のネズミの絵を縮小したみたいに見えますけど。
- それはネズミの種類が違うんだよ。ドブネズミとハツカネズミ。
- え? でもこれ、文字なんだから、たとえばゾウでもアリでも同じ大きさに描かれるものですよね。
- 原則は、そうだね。
- じゃあ、どうしてドブネズミを縮小したのがハツカネズミなんですか?
- まあ、ちょっとデザイナーにやる気がなかった感じがしないでもないかな。
- ペルシアの5番にカモノハシとイワシが並んでるのは、どっちもありって意味ですか?
- うん。それ、ワニとクジラだけどね。
- ペルシアの3番のネコは……
- いや、それはヒョウだ。ネコはベトナムの4番。
- おおっ、謎の生物発見! ペルシアの8番は何ですか?
- ヒツジだね。
- えーっと。ヒツジって耳のない動物でしたっけ? ほら、同じ8番でも左の列のモコモコしてるほうがヒツジですよね?
- あ、そっちのは牡羊。
- わあ、十二星座のメンバーが十二支に乱入!? ていうか、どうしてこんな不思議なことになってるんですか?
- うーん、このあたりの文字は、ケータイ絵文字をUnicodeに収録する過程で、戦略的なカードとして使われた側面が大きいように見えるんだよね。
- 政治的な駆け引きに翻弄された文字たち、ということですか。カモノハシやイワシには、何の罪もないのに。
- ワニとクジラだけどね。