タバコはOS X Lion 10.7.3で短くなったのか

  • OS X Lion 10.7.3では、以前からカラーで入っていた絵文字(文字ビューアの「絵文字」から入力できる文字)のうち、22文字のデザインが変更された(下図)*1。このうち19文字はiOS 5.0の変更分と共通。10.7.3のほうがiOS 5.0よりも新しいのは3文字*2


  • U+1F4E9 ENVELOPE WITH DOWNWARDS ARROW ABOVEとU+1F4EB CLOSED MAILBOX WITH RAISED FLAGについては、Unicodeの文字名とビジュアルのズレを解消するための変更だと思われる。U+2615 HOT BEVERAGEは、湯気がなくてもあたたかい飲み物に見えるとは思うが、ビジュアルを文字名に寄せたということだろう。新幹線(U+1F684 HIGH-SPEED TRAIN)の事情はやや複雑なので、詳しくは「iPhoneの新幹線は東京駅に止まらない」を参照。
  • どきどきハート(U+1F493 BEATING HEART)の旧デザインは、iOS 5.0で消えたが、Lion 10.7.3ではキラキラハート(U+1F496 SPARKLING HEART)のグリフとして復活した。運動靴(U+1F45F ATHLETIC SHOE)の旧デザインは、10.7.3で紳士靴(U+1F45E MANS SHOE)のグリフとして復活した。また、U+1F4EB CLOSED MAILBOX WITH RAISED FLAGの旧デザインは、10.7.3でU+1F4EC OPEN MAILBOX WITH RAISED FLAG用にスライドした(下図)*3


  • Appleカラー絵文字は複数の大きさの画像データを持っており、文字のサイズに合わせたものを使用するが、10.7.3では、画面表示と画像データの関係にも変更があったようだ。10.7.2以前も10.7.3も、絵文字のサイズが16ptを超えるかどうかを境界として画面表示用の画像が変わる。そして10.7.2以前には、「32ptの境界」も存在したが、10.7.3ではこの境界がなくなっている(32ptの画像データを使用しない?)ようだ(下図)*4。このため、タバコなど一部の絵文字は、17pt〜32ptのサイズで比較すると、10.7.3でデザインが変更されたように見える。

*1:目で見て確かめただけなので、これ以外にもあるかもしれない。

*2:追記。このエントリの最初のバージョンでは、U+1F4EB CLOSED MAILBOX WITH RAISED FLAGのデザイン変更のタイミングを「OS X Lion 10.7.3」としていたが、正しくは「iOS 5.0」だった。本文と図は修正済み。

*3:これらは文字コード的には非互換の変更ということになる。Appleカラー絵文字(iPhone絵文字)は、絵文字をUnicodeに収録する際の直接のソースではなかったこともあり、ある程度の事後的な調整が必要となるのはやむをえないのだけれど。

*4:10.7.2以前の32ptのギャップは、文字によってはけっこう目立つものであったため、10.7.3ではよりシームレスな方向に仕様が変更されたということだろうか。