ルールは知らなきゃ壊せない

  • 大熊肇『文字の組み方』を読んで思ったこと。もしもこの本がクイズ形式だったら、わたしはいくつ「トホホ」を踏んだだろう。

文字の組み方―組版/見てわかる新常識

文字の組み方―組版/見てわかる新常識

  • 次の引用は、「はしがき」の冒頭部分。

本書の企画は実際に目にするトホホな組版と,好ましい組版とを,単ページか見開き2ページ単位で並べて,ひと目でわかるようにということだった。裏技を使いこなさなければ組版できなかった10年前と違い,現在のアプリケーションはまともに使えばそれほどトホホな組版は出現しないはずだ。「サンプルを捜すのに苦労するだろうなあ」。正直言って企画に無理があるのではないかと思った。ところが捜してみると苦もなく見つかった。身の回りになんとトホホな組版が多いことか。10年経っても組版の状況はそれほど変わっていないことに愕然とした。

  • ルールには理由があり、この本にはそのロジックが明確に記されている。デザイナーはルールを壊す自由を持っているが、だとしても、わかった上でやるかどうかの違いは大きいと思う。