2010-03-01から1ヶ月間の記事一覧

Safariがバックスラッシュを円記号に置き換える理由がわからない

nurseさん(はてなるせだいあり)の詳細なリポート「円記号問題とウェブブラウザ」によると、Safariの「EUC-JPのページの0x5Cを円記号として表示する」という動作の背景には、「ユーザはそうして欲しいはずだ」という(WebKitの開発者の)信念があるらしい。…

複数行にまたがる括弧はなぜズレるのか

InD-Boardで出ていた「複数行にまたがる括弧」の話が興味深かったので、ちょっと調べてみた。皆さんの指摘に付け加えるような知見はないのだけれど、以下、文字コード的な雑談として。 Unicodeには、複数行にまたがる丸括弧、角括弧、波括弧がある(下図)。…

フォントによるGSUBフィーチャのサポート状況

GSUBフィーチャのサポートは、フォントによって違う。今回はそれを、モリサワ、小塚、ヒラギノを対象として、まとめてみようと思う。細かい部分に目を向けると、「サポートしている」と言っても、「フルサポートか部分サポートか」とか、テーブルが微妙に違…

OpenTypeフォントの上付き文字と下付き文字

たとえば小塚明朝Pr6Nは、上付き文字・下付き文字を実現するフィーチャとして、'sinf'(Scientific Inferiors)、'subs'(Subscript)、'sups'(Superscript)をサポートしている。下付きのほうが2種類あり、どこが違うのか気になるところである。「InDesign…

ベースボールとサッカーボール

たぶんすでに多くの人が突っ込んでいることだと思うが、Adobe-Japan1フォントの'dlig'(任意の合字)のレパートリは変だと思う。下図はInDesignの字形パネルで見た小塚ゴシックPr6Nの'dlig'グリフ。 ほとんどが「複数の文字の組み合わせ」という条件を満たし…

「スラッシュを用いた分数」の仕様変更

Adobe-Japan1フォントには、分数に関して4つのスタイルが用意されている。下図は「1/2」を例としたもの。3番目の「斜め型・グリフの動的合成」以外については、前回のエントリでも触れた。 OpenTypeフォントには、分数に関するフィーチャとして、'afrc'(分…

なぜUnicodeには分数の「0/3」が入っているのか

Adobe-Japan1の分数は(特にUnicodeとの関係において)けっこうぐしゃぐしゃなので、ちょっと整理してみよう。下図は、横棒を使う分数のリスト*1。Proフォントでは「分数(afrc)」フィーチャで用いられる。分母が2から12までの約分できない真分数と「0/3」…

InDesignに付いてくる小塚フォントのバージョンのまとめ

前回のエントリでは「仕様を変えないモリサワ」について取り上げた。小塚フォントは逆に、頻繁に仕様が変わり、非常にややこしい。この話題についてはAdobeのTechNote「小塚フォントのアップデートにおけるデータ受け渡しの注意点」が基本文献だが、2004年の…

モリサワProフォントと互換性のジレンマ

たとえばリュウミンPro Rでチルダ付きE(U+1EBC LATIN CAPITAL LETTER E WITH TILDE)を入力し、フォントをリュウミンPro Lに変更すると、ゲタに化ける*1。ベンダもレパートリも共通の、現在提供されているフォント間で、このような化け方をする例は珍しい。…