JIS X 0208:1983が第1水準・第2水準間で文字を入れ替えた22組

  • 前回のエントリ(OpenTypeフォントの'nlck'タグについて詳しく書いてみる)のために「JIS X 0208:1983が第1水準・第2水準間で文字を入れ替えた22組」についての図を作成したところ、意外に複雑になってしまった上、誤りを含んだままアップしてしまったりして(現在は修正済み)けっこう落とし穴があるので、改めてこの問題についてメモしておく。
  • 下図は入れ替えの対象のうち、第1水準側の22の区点である。no change欄がOpenTypeフォントのデフォルトのグリフ(JIS90の例示字体を参照したグリフ)であり、それ以外の欄はそれぞれ'jp78'タグ、'jp83'タグ、'jp04'タグを適用した場合の結果を示している。no change欄がいちばん上ではなく中途半端な位置にあるのは、上から時系列順にJIS78→JIS83→JIS90(no change)→JIS04と並ぶようにしたため。「デフォルトのグリフの第2水準側のペア」のグリフが'jp78'グリフと異なる場合、jp78欄を紫地で示した。


  • 下図は第2水準側。「デフォルトのグリフの第1水準側のペア」のグリフが'jp78'グリフと異なる場合、jp78欄を緑地で示した。また、デフォルトのグリフと'jp83'グリフが異なる場合はjp83欄を紫地で、デフォルトのグリフとjp04グリフが異なる場合はjp04欄をピンク地で示した。


  • 上の2つの図において色付きで示した文字のうち、'jp04'グリフについてはさほどわかりにくい話ではないので除外し、JIS78、JIS83、JIS90におけるグリフの変化に注意が必要な3組6文字について下図にまとめてみた。


  • JIS83が第1水準・第2水準間で文字を入れ替えた22組44文字のうち、単純な入れ替えではない(グリフの変更を伴う)のは、「靭迩靱」の3文字である。一方、この44文字について標準のグリフ群と'jp78'グリフ群を比較したとき、差異が認められるのは「靭迩礪靱」の4文字ということになる。