平均字面とは何か

  • InDesignでは「文字揃え」と「グリッド揃え」で、平均字面に揃えるオプションが用意されている。この平均字面(ICF:Ideographic Character Face)は、OpenTypeフォントのBASEテーブルで、icfb(ICFのbottom)とicft(ICFのtop)の値として定義されている。下図、赤枠が平均字面。ideoは仮想ボディ(グレー枠)、romnは欧文ベースライン(青線)の位置。


  • 平均字面はフォントによって違う。下図の数値は、小塚ゴシックの各ウエイトの平均字面を、仮想ボディに対する割合(長さ比)で表したもの。


  • 平均字面が大きいフォント(小塚ゴシックH)と小さいフォント(モリサワのMB1)では、かなり差がある(下図)。


  • 「文字揃え:平均字面の下/左」を使うと、同じフォントでサイズの異なる漢字や仮名を、きれいに揃えることができる(下図)。


  • その一方で、サイズが等しくフォントが異なる例では、平均字面の違いにより、文字の重心がブレる可能性がある(下図)。


  • また、このような混植では、行の最初の文字によって文字揃えの基準点が決まるので*1、下図の2行目のように「たまたま行頭にきた文字によって、その行の2文字目以降の行間がおかしくなった」などということも起こりうる。

*1:「文字揃え」では、行中で最もサイズの大きい文字が基準となるが、それが複数ある場合、より前にあるものが基準となるようだ。