'nlck'テーブルの現状についてのまとめ

  • 'nlck'タグが使用するテーブルには4種類のバージョンが存在し、このうちヒラギノProNや改定後のモリサワPr5フォントで用いられているものが最も新しい。今回は、このテーブルの動作についてまとめてみようと思う。
  • 以下、ヒラギノProNおよび改定後のモリサワPr5フォントの'nlck'テーブルの置換対象を、5つのグループに分けて図示する。「表外漢字字体表における印刷標準字体欄の例示字形を参照しているグリフ」を「印刷標準グリフ」と呼び、図では水色地で示す。「簡易慣用グリフ」(ビンク地)、「備考欄グリフ」(黄色地)も同様。
  • JIS X 0213:2004で例示字形を変更された168文字のうち、「Adobe-Japan1では変更前・変更後の違いが区別されない8文字」および「印刷標準字体以外に関する変更1文字(芦)」を除いた159文字のグリフを置換(下図)。



  • JIS X 0213:2004で追加された10文字へのグリフ置換(下図)。


  • 簡易慣用字体(CID=1142の「芦」を含む)を印刷標準グリフに置換(下図)。赤矢印の置換は追加10文字置換との重複。また、青矢印の置換は互換規準置換(後述)との重複。


  • 備考欄グリフを印刷標準グリフに置換(下図)。赤矢印の置換は追加10文字置換との重複。


  • 互換規準の29文字のグリフを置換(下図)。


  • 次の表は、ヒラギノProやCS3に付属する小塚書体も含めて、3種類の'nlck'テーブルが置換する文字の範囲について、大雑把にまとめたもの(マル印が置換対象)。モリサワPr5の1.010は改定後のバージョン。改定前のモリサワPr5(1.003/1.004)の動作については、シンプルにまとめることは不可能なので、ここでは割愛。