UnicodeとAdobe-Japan1-6のセディラ(CEDILLA)付き文字

  • Unicodeに入っているセディラ付きの文字(名前に「WITH CEDILLA」と付くもの)は、下図の26文字。このうちAdobe-Japan1-6と対応関係を持たないものはグレー地で示した。以下の図では、青字はJIS X 0212補助漢字)の区点番号、赤字はJIS X 0213の面区点番号。


  • 文字または書体によっては、セディラは下コンマ(COMMA BELLOW)形状で表現される。また、小文字のgに付くセディラは、上回転コンマ(TURNED COMMA ABOVE)形状で表現される。下図ではHelveticaVerdanaリュウミンでセディラ付きの文字を表示し、そのうち下コンマ形状のものを水色地で、上回転コンマ形状のものを黄色地で示した。Verdanaの小文字gに付いている記号は一見アキュートアクセントに似ているが、斜線部分の下が太く上が細いことから、上回転コンマであることがわかる。


ラトビア語の優れたタイポグラフィでは、U+0123 LATIN SMALL LETTER G WITH CEDILLAは常に、セディラを下に付されたgではなく、180度回転したコンマを上に配したgとして表現される。これは、セディラをgのディセンダのループの下に置こうとすると、タイポグラフィ的なデザイン上およびレイアウト上の問題が生じることによる。粗悪なラトビア語フォントは、回転したコンマの代わりに、アキュートアクセントを用いることもあるかもしれない。また、手書きまたは印刷された形で、gの下に実際にセディラが付くこともありうる。

  • 「セディラ付き大文字G」はAdobe-Japan1-6に入っているが、「セディラ付き小文字g」は入っておらず、代わりに「アキュートアクセント付き小文字g」が入っている(下図)。ソースであるJIS X 0212補助漢字)がそうなっているからである。


  • SとTの大文字と小文字については、セディラ付きの文字とは別に、下コンマ付きの文字がUnicode 3.0で追加されている(下図グレー地)。JIS X 0213では下セディラと下コンマは包摂だが、Unicodeとは「セディラ付き」の側と対応関係を持つ。


  • そのようなわけで、セディラ(上回転コンマ)付きの「g」、下コンマ付き「S」「s」「T」「t」については、欧文フォントではそれなりにメジャーな(出せることが多い)文字であるにもかかわらず、Adobe-Japan1-6フォントでは表示できない。