メイリオの'jp83'サポート

  • メイリオにおける'jp83'タグのサポートを、同じ「JIS04基準フォント」である小塚明朝Pr6Nと比較してみた。メイリオの'jp83'グリフは、InDesignの字形パネルで見ると375文字ある(下図)。


  • 小塚明朝Pr6Nの'jp83'グリフは381文字だから、メイリオのほうが6文字少ない。といっても単純な引き算ではなく、両者の'jp83'グリフには下図のような違いが存在する。グレー地はサポートなし。


  • Pr6Nにおける「摯甕灸粂」の標準グリフと'jp83'グリフの差異はわずかなものであり、メイリオではこれらを区別しない方針であると思われる(下図)。

  • メイリオの「竈→竃」置換は、バグだろう(下図)。'jp78'でやるべき置換が、'jp83'のテーブルに入ってしまっている。


  • メイリオの「屢→屡」置換は、バグだろう(下図)。JIS X 0213で追加された「屢」を「屡」に置き換える意味はない。


  • Pr6Nフォントの'jp83'テーブルに入っている「楯誹徘靱」は、前回のエントリで触れたように本来不要な置換なので、メイリオの'jp83'テーブルに含まれないのが当然。メイリオの「GID+8500→GID+14520」は、下図からわかるとおり、Pr6Nフォントにおける「不要な置換」とは異なる方向性のものであり、バグだと思われる。


  • InDesignのグリフパネルを見ただけではわからないが、前回のエントリで触れたように、Pr6Nフォントの'jp83'テーブルには、下図のような2対1置換が含まれる。


  • 今回掲載した図において、青矢印は正しい'jp83'置換、緑矢印はAdobe-Japan1の「JIS04基準フォント」に固有の「不要だけれど特に害があるわけでもない'jp83'置換」、赤矢印はバグだと思われるものを表している。