JIS04基準フォントの'jp83'サポート

  • JIS04基準フォントのGSUB(グリフ置換)テーブルは、JIS90基準フォントのそれに「建増し」したような構成となっている。*1
  • たとえばJIS90基準フォントでは、「訝」の標準グリフ(デフォルトのグリフ)はCID+6662であり、'jp83'置換は「CID+6662→CID+13601」である。JIS04基準フォントでは「訝」の標準グリフはCID+20268なので、'jp83'置換は「CID+20268→CID+13601」だが、これに加えて「CID+6662→CID+13601」も残っている。以下の図では、'jp83'置換を青矢印で示した。


  • このように、'jp04'グリフ、'jp90'グリフ、'jp83'グリフがそれぞれ異なるケースでは、JIS04基準フォントの'jp83'置換は2対1となる。同様の例は、下図のとおり。*2


  • また、'jp90'グリフと'jp83'グリフが異なり、'jp83'グリフと'jp04'グリフが等しいケースは、下図のとおり。ここに見られるJIS04基準フォントの'jp83'置換も、JIS90基準フォントのものをそのまま受け継いでいる。


  • いずれのケースにしても、JIS04基準フォントではJIS90基準フォントの'jp83'置換を受け継ぐ必要はないだろうし、これによって話が必要以上にややこしくなっていると思うのだけれど。

*1:JIS04基準フォントのGSUBテーブルは、http://www.adobe.com/devnet/font/の「Building JIS2004-Savvy OpenType Fonts」から入手できる。

*2:このうち「蔽」のCID+3603とCID+13505の違いについては「OpenTypeフォントの'jp83'タグに関するメモ」を参照。