mds暴走の検証記録
- はい?
- やだなあ。そんなに警戒すんなよ。
- ふつう、警戒しますよね、大事な書類がどうとか言われたら。
- ここにUSBメモリがあるんだけどね。
- ありますね。
- これをちょっとさ、挿してみない?
- ははは。
- それほど危険なモノじゃないから。
- それほどって……。
- そんな致命的なことにはならないって。
- 致命的って……。
- はいはい、ちょっと借りるよ。USBメモリを挿して、と。アクティビティモニタを起動して、と。んで、このList_ExtB.txtってファイルを「Spotlightの検索から除外する場所」に指定した「隔離フォルダ」から出してやって、と。
- ……。
- ほーら、きたきたきた! ね、mdsのCPU使用率が100%になったままでしょ。やっぱりマシンパワーのあるMacでも一発でコロッといくなあ。
- mdsって何ですか?
- メタデータサーバの略かな。Spotlight用の索引作成プロセスなんだけどね。そのプロセスがこのファイルに引っ掛かってさ、CPUを100%占有したまま戻らないんだよね。
- 戻らないと、どうなります?
- まず、このボリュームが検索できない。そして、Time Machineでバックアップできない。あとは、他の処理が遅くなったりとか。ひどいよね。ほら、無駄なプロセスがCPUを占有してるから。
- そのファイルが原因なんですか?
- うん。開くと、こんなかんじ。
- うわあ、ヤバそうですね。
- いや、ゲタが多いだけで、単なるテキストファイルなんだけどね。あんまり使わない漢字のリストだな。
- それ、坂村健的な発想だよね。
- え?
- ワードスペーシングのないテキストに対する検証が甘いとかってことはあるかもね。
- ところで、このファイル、もう「隔離フォルダ」に戻しちゃっていいですか?
- うん、いいよ。でもさ、戻しても暴走は止まらないんだけどね。*2
- ははは。
- ははは。
- じゃあ、USBメモリ、取り出しますよ。
- それがさ、取り出せないんだよね。ほら、プロセスが暴走してるから。*3
- ははは。
- ははは。