iOS 6のメッセージアプリ間で絵文字が送れない問題のまとめ


iOS 6では、300文字以上の絵文字が新たに絵文字パレットに入った。これら新絵文字(と以前からある絵文字のいくつか)は、iOS 6のiPhone同士でもメッセージアプリで送れないことがある。この問題について、できるだけ網羅的にメモ*1

iMassageならOK

メッセージアプリは、SMS/MMS(緑のフキダシ)またはiMassage(青のフキダシ)を送信する。iMassageで送信された絵文字は、ちゃんと相手に届くようだ。なので、以下はSMS/MMSについて。

SoftBankSoftBankでは新絵文字は送れない

SoftBank iPhone同士の場合、Unicode絵文字は経路中でSoftBank絵文字に変換されるため、以前からある絵文字(SoftBank絵文字にあるもの)以外は送れない。下図、新絵文字のプードル、パンダ、サングラスは空白になっている*2



auSoftBankでも原則としては新絵文字はムリ

auSoftBankの場合も途中でSoftBank絵文字に変換されるので、原則として新絵文字は送れない(下図)。ただ、このケースでは変換するのがauゲートウェイであるため、auの対SoftBankテーブルに従ったフォールパックが見られる。たとえばプードルは類似の犬に置き換えられ、これが再びUnicode絵文字にもどることにより、文字化けっぽいかんじになる。au絵文字にあってSoftBank絵文字にないパンダは[パンダ]という文字列になり、au絵文字にもSoftBank絵文字にもないサングラスは〓になる。


SoftBankauは四天王の中でも最弱

SoftBankauでは、Unicode絵文字はSoftBank絵文字に変換された上でさらにau絵文字に変換されてからUnicode絵文字にもどるというフローになる(下図)。このため、SoftBank絵文字とau絵文字の両方にあるもの以外は、空白や〓になったり、類似の絵文字にズレたり(下図の例では、狼→犬)する。


auauが最強

au iPhone同士の場合、レガシー・エンコーディングを経由しないので、すべての絵文字をそのまま送れる。JIS X 0208に含まれない漢字をSMS/MMSで送れるのも、この組み合わせだけ。


送れる文字と送れない文字

これら4つの組み合わせにおける送れる文字・送れない文字を具体的に示すために、下図では絵文字を3つのグループに分類した。まず、AはSoftBank絵文字にもau絵文字にもあるもので、すべての組み合わせで送信できる。Bは、SoftBank絵文字にあってau絵文字にないもの。AとBを合わせると、iOS 5までの絵文字パレットでも入力できた文字の集合(SoftBank絵文字互換)となる。CはiOS 6で絵文字パレットに入った新絵文字(SoftBank絵文字との互換性をもたないもの)。





で、最後にもう一度まとめると、iPhone同士のSMS/MMSで送信できる絵文字の範囲は、送信側と受信側のキャリアの組み合わせによって、下図のとおり。「ちょっとズレる例」とあるのは、プードルが犬になったり、狼が犬になったり、(今回の図の中には出てこないが)少年がおじさんになったりするもの。


*1:akane_nekoさんにご協力いただいてテストしました。毎度ありがとうございます!

*2:追記。SoftBank iPhoneのメッセージアプリはSMS/MMSで絵文字を受信すると、Unicode絵文字ではなくUnicodeの私用領域(PUA)に変換することに気づいて、図を修正。なぜPUAを使いますか?