漢字の国際提案の歴史を図にしてみた

  • 2001年以降に日本が国際提案した漢字について、どのような経緯で規格化されたか、規格化されようとしているのかを、おおざっぱな図にしてみた。細かいことを言い出すとキリがないので、それは言わない方向で。下図、グレー地はドラフト段階のもの。


  • 2001年に提案された謎の国字集合(今昔文字鏡ソース)は、その後、典拠の発見できない漢字については提案を取り下げられたりしたが、一部が2009年のUnicode 5.2でCJK統合漢字拡張Cとして規格化された。文字鏡ソースで拡張Cに入った367字のうち320字は汎用電子にも含まれる。
  • 拡張Cに提案された文字のうち後回しにされたものは、拡張C2と呼ばれ、その後拡張Dと呼ばれることとなった。拡張Dは量があって審議に時間がかかるので、緊急に必要な漢字を少数に絞って先に入れましょうというのがUNC(Urgently Needed Characters)で、UNCは2010年のUnicode 6.0で拡張Dとして規格化された。それまでの拡張Dは拡張Eと呼ばれることとなった。拡張Eは、たぶん2014年あたりのUnicode 7.0で規格化される。
  • 戸籍統一文字と住基統一文字のごく一部はUNC経由で拡張Dとなったが、残りは(拡張Dの次の拡張Eは拡張C1からの流れなので)拡張Fの候補となった。その後、拡張Fは拡張F1と拡張F2に分かれたので、このまま行けば、拡張F1は拡張Fとして、拡張F2は拡張Gとして規格化されることになるのだろう。
  • 戸籍統一文字と住基統一文字のうちCJK統合漢字として提案することができないもの(違いの小さな異体字)は2010-11-14版および2012-03-02版のIVDに登録された。図には2007-12-14版のIVDも入れておいたが、これは日本ではなくAdobeが登録したもの。
  • 登記固有文字のうち違いの小さな異体字は2012-03-02版のIVDに登録されたが、そうでないものは、今のところ規格化の見通しが立っていないようだ。登録するだけのIVDとエビデンスを求められるCJK統合漢字の違いだが、代替のきかない漢字の規格化のほうが宙に浮いている状況は、倒錯しているように見えなくもない。