Pr6NフォントでもデフォルトのグリフがVistaのMS書体と共通とは限らない

  • JIS X 0213:2004を参照したPr6Nフォントには、当然「Vista対応フォント」という側面がある。しかし、いくつかの文字ついては、Pr6Nフォントのデフォルトの(Unicodeのプレーン・テキストで表示される)グリフは、新MS書体やメイリオとは異なるものとなるだろう。
  • AJ15の前身であるAPGS(Apple Publishing Glyph Set)がJIS X 0213:2000をサポートした際、1つのUnicode符号位置に対してJIS X 0213用グリフとそれ以外のグリフ(補助漢字用のグリフなど)が存在する場合、0213グリフを優先するようマッピングが変更された。
  • 一方、AJ16が補助漢字をサポートした際、「0213グリフが最優先なのはそのままとして、その次には補助漢字グリフを優先する」というようなマッピング変更はなされていない。このため「写研のSK漢字をソースとしてAJ15に入っていたグリフ」と「AJ16で補助漢字用に追加されたグリフ」が同じ符号位置で衝突する場合、Unicodeのプレーン・テキストでは結果的に「SK漢字グリフ優先」となる。
  • 下図は、このケースに該当する文字を小塚明朝、ヒラギノ明朝、MS明朝で表示したもの。黄色地はSK漢字グリフ、グレー地は補助漢字グリフ。これらの文字については、AJ16フォントであれば、'hojo'タグを適用することによりMS明朝と同じ補助漢字グリフを表示することができる。追記。図中のUnicode符号位置の表記がいくつか間違っていたので修正しました。mashcoさん、ExLibrisさん、ご指摘ありがとうございます。


  • Pr6Nフォントは、JIS X 0213:2004を優先的に参照しているという点では新MS書体やメイリオと共通だが、従来の(Nの付かない)Adobe-Japan1フォントと新MS書体には、「2000か2004か」の違いだけでなく、「SK漢字か補助漢字か」の違いが存在し、後者はPr6Nフォントにも受け継がれるものと思われる。