メイリオにはどんな文字が入っているのか

  • 前回のエントリでは、メイリオに含まれる漢字集合がAdobe-Japan1-5のそれと一致することを述べた。今回はメイリオに含まれる全グリフを対象として、それがAdobe-Japan1-5にも含まれるかどうかを確認してみた。
  • 結果。ひとつひとつのグリフについてきちんと見たわけではないが、メイリオのグリフセットは、Adobe-Japan1-5の上位集合であり、約300の独自のグリフを追加したもののようだ。以下、メイリオにあってAdobe-Japan1-5にないグリフを列挙する。
  • U+203D INTERROBANG(感嘆符と疑問符を重ねた記号)とそのイタリック(下図)。図中の数字はGID、黄色地のグリフはUnicodeマッピングのあるもの(以下同)。


  • スモールキャプス(グレー地)、オールドスタイル数字(ブルー地)など(下図)。


  • 上図白地の通貨記号などは、オールドスタイル数字に合わせるためのものだろうか。下図では、これらを汎用のプロポーショナルグリフと比較してみた。それぞれが微妙に異なっていることがわかる。



  • 上図のグリフのうちGID+819は、GID+16586に全角のヴァリアントを持つ。ここでは(GID/CID順の前後関係を尊重して)GID+16586のほうをAdobe-Japan1-5のCID+16222と対応付け、GID+819を「Adobe-Japan1-5に含まれないグリフ」として扱った。ただし、Unicodeマッピングの面からは、メイリオGID+819とAdobe-Japan1-5のCID+16222が、U+03C2 GREEK SMALL LETTER FINAL SIGMAを介して対応する(下図)。



  • 下図、GID+20682の円記号は、U+005C REVERSE SOLIDUSに対応するもの。このあたりの事情については、安岡さんの「YEN SIGN問題縁起」を参照。GID+20683は、U+005Cのイタリックという位置づけなのだろう。GID+20681は、もしかするとWindowsユーザにとっては親しみのある記号なのかもしれないが、わたしには何だかわからない。ご存知の方は、ぜひコメントを。


  • 最後に、メイリオGIDに対してAdobe-Japan1-5のCIDを対照させた表(わたしが目で見比べて手動で入力したもの)を載せておく。「メイリオGID」のうち括弧で括ったのは、未定義(空き)のもの。 

メイリオGID  Adobe-Japan1-5のCID 
0 0
(1-2)
3-232 1-230
233-616 9354-9737
617-770 該当なし
771-794 1011-1034
795-801 該当なし
802-818 1035-1051
819 該当なし
820-826 1052-1058
905-911 1059-1065
(912-924)
925-983 1066-1124
(984-998)
999 該当なし
(1000-1012)
1013-1077 該当なし
(1078-1092)
1093-1494 231-632
1495-1535 9738-9778
1536-1560 12063-12087
1561-1769 633-841
1770-1771 8718-8719
1772-2303 15444-15975
2304-2472 842-1010
2473-5437 1125-4089
5438-8825 4090-7477
8826-9631 7478-8283
9632-9706 8284-8358
9707-10065 8359-8717
10066-10699 8720-9353
10700-12983 9779-12062
12984-16339 12088-15443
16340-20680 15976-20316
20681-20683 該当なし