InDesignの「CIDベースの文字組みを使用」とシングル引用符

  • 下図は、Adobe-Japan1におけるシングル引用符用のすべてのグリフを整理したもの。まず、起こしと受けでグリフが異なるグループ(上)と共通のグループ(下)に大別し、次にプロポーショナル、イタリック、全角、半角に分類した。黄色地は横組み(地の幅はグリフの幅を表す)、それ以外は縦組み用のグリフ。以前のエントリで掲げた二重引用符の図と比較しやすいよう、二重引用符にあってシングル引用符にないポジションは、フレームのみで示した。図に用いたフォントはリュウミンPr6(以下同)。


  • オレンジ地の縦組み用グリフは、全グリフを網羅するために入れておいたが、これらは一部の処理系が必要とする縦組み用の回転済みグリフであり、ユーザは通常意識する必要がない(このエントリでも、以後無視する)。ピンク地のCID+12173とCID+12174は縦組み置換用。水色地のグリフは、縦組み用のグリフとして手動で入力して使うためのものであると思われる。
  • InDesignの「環境設定:組版」で「CIDベースの文字組みを使用」をオンにした場合、各グリフの文字クラスは下図のようになる。紫地は「括弧類」、緑地は「欧文用文字」、グレー地は「その他の和字」。


  • 「CIDベースの文字組みを使用」をオフにした場合の文字クラスは、下図のとおり。オンの場合と文字クラスが異なるものについては、CIDを赤字とした。2種類の符号位置のいずれかによって表現されるグリフは、CIDを青字で示した。


  • たとえば、プロポーショナルのシングル引用符のペアであるCID+98/CID+96の文字クラスは、「CIDベースの文字組みを使用」がオフの場合、符号位置がU+02BB/U+02BCなら「欧文用文字」、U+2018/U+2019なら「括弧類」となる。シングル引用符における符号位置の衝突については、「InDesignにおけるシングル引用符の縦組み」を参照。