非標準的な縦組み用の引用符

  • Adobe-Japan1-2以前の時代から、CID+8275以降に8つ(4組)の引用符らしきグリフが存在する(下図)。


  • 並びからすると下図のようなかんじだが、まあ、これはないだろう。


  • たぶん下図のように、手動で入力して縦組みに使うためのグリフなのだと思われる。InDesignで「CIDベースの文字組みを使用」をオンにした場合、下図水色地のグリフは「始め括弧類」、緑地のグリフは「終わり括弧類」となることも、この推測を裏付けている。


  • が、モリサワPr6N、小塚Pr6N、ヒラギノなどの異体字テーブルでは、「縦組みにおける受けの括弧」であると思われるCID+8275やCID+8277が「起こし」の仲間に(下図)、「縦組みにおける起こしの括弧」であると思われるCID+8280やCID+8282が「受け」の仲間になっている。


  • また、実際に縦組みにすると(前項で言及したフォントに限らず)、CID+8280だけは回転してしまう。「Adobe-Japan1とInDesignの二重引用符」でも触れたように、CID+8280は「U+201E DOUBLE LOW-9 QUOTATION MARKの全角グリフ」という(適切とは思えない)扱いになっているためである(下図)。CID+8280と同じポジションのCID+8282(下図いちばん下)は、全角コンマ用のCID+636(下図いちばん上)の存在に救われ、「U+201A SINGLE LOW-9 QUOTATION MARKの全角グリフ」となることを免れたものと思われる。