PC 98文字セット(Ext)固有の文字

  • 前回の註で触れた「PC 98文字セット(Ext)固有の文字」について。CIDフォントはPC 98をサポートするために、[Ext]という文字セット(CMapテーブル)を持っていた。
  • システム外字を別にすれば、[Ext]は基本的にJIS78の第1刷を参照しており、「冑」に限って第4刷以降の例示字体を採用している。[Ext]固有の(Adobeが定義している他の文字セットには含まれない)グリフは、下図の8文字。このうちCIDを赤字で示した「嗤」「幤」「藜」「雎」は、JIS78の正誤表で誤とされたもの。


  • CIDフォントのCMapテーブルのなかでJIS78を参照するものとしては、[Ext]の他に[78]がある。[78]はJIS78の第10刷(最終刷)に基づいている。[Ext]と[78]では、前述の8文字を含めて下図の12文字が異なる。


  • OpenTypeのAdobe-Japan1フォント(JIS90基準)における'jp78'テーブルは、その出自が[78]か[Ext]かを問わず、標準のグリフとの差分を集めたものとなっている(上図)。[78]も[Ext]もJIS78の仲間だからといって、足していいようなものではないと思うのだが。