新常用漢字表試案と常用漢字表の字体の違い
- 新常用漢字表(仮称)試案のパブリックコメントが始まった(http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=Pcm1010&BID=185000395)。試案では、いくつかの漢字の字体が、現行の常用漢字表と異なっている。
- 下図は、常用漢字表の基準で、デザイン差ではなく字体差であると思われる例を拾ったもの*1。この4文字はいずれも「明治以来行われてきた活字の字体とのつながりを示すために」括弧に入れて添えられた(いわゆる)康煕字典体。左右に小さく示したのは、対応するAdobe-Japan1のグリフ(小塚明朝)。
- 小塚明朝のCID+13356は、「目」の縦画の接触だけでなく、「匕」のデザインも常用漢字表康煕別掲字の特徴を忠実に再現している。試案で例示に用いられているフォントは(この4文字に関しては)おそらく平成明朝体であり、その結果Adobe-Japan1的には、試案グリフのほうがUnicodeの符号位置と直接対応する。下図は試案の4文字と平成明朝体の比較。
*1:「邊」の例はデザイン差だという見方もあるだろう。今回はそのあたりの話には深入りしない。