「潰滅」はどこまで復活するのか

  • 国語審議会報告「同音の漢字による書きかえ」(1956年)は、当用漢字以外の漢字を含む語の書き換えを定めている(http://www.bunka.go.jp/kokugo/pdf/doon.pdf)。このうち新常用漢字の影響を受けそうなのが、「臆説→憶説」「臆測→憶測」「潰滅→壊滅」「決潰→決壊」「肝腎→肝心」あたり。試案がこのまま通ると、書き換えの対象であった「臆」「潰」「腎」が常用漢字に追加されることとなる。
  • 過去の同様の事例としては、「同音の漢字による書きかえ」のうち、「研磨→研摩」「磨滅→摩滅」「妄動→盲動」の「磨」「妄」が1981年に常用漢字に入っており、現在、朝日新聞では「研磨」「摩滅」「妄動」が使われている(括弧内3月30日追記。新聞が現在「磨滅」を使っているという記述を修正)。
  • 「憶測」「壊滅」「肝心」などの新表記はかなり定着しており、ウェブで検索してみると、現時点での新表記に対する割合は、「臆説」3%、「臆測」11%、「潰滅」2%、「決潰」32%、「肝腎」11%といったところ。新聞社などは、これからどちらを選ぶのだろう。