2009-09-16 InDesignでIVSが扱いにくい理由 異体字セレクタ(Variation Selector)は、人から渡されたプレーン・テキストの原稿に含まれている可能性がある。 異体字セレクタは、見えない。 異体字セレクタの効果は、フォントに依存する。 親字と異体字セレクタの並び(IVS)は、テキストエディットやJedit Xでは1文字として扱われるが、InDesignでは2文字として扱われるため、親字と異体字セレクタの間に文字を挿入できてしまう。 InDesignでは異体字セレクタは「幅のない文字」として扱われるため、カーソルが異体字セレクタの前(IVSの中)にあるのか後(IVSの外)にあるのかは、見ただけではわからない。 InDesignでテキスト中に漢字を挿入したとき、潜在していた異体字セレクタと結びついてIVSを構成し、字体が変わる可能性がある。 異体字セレクタとOpenTypeタグによるグリフ指定が競合あるいは重複した場合、挙動を理解するのが難しい。 異体字セレクタは、人に説明しづらい。 そのようなわけで、InDesignで作業する人にとっては、IVS(異体字シーケンス)はかなりやっかいな存在ではないかと思う。以前AdobeがIVSを推進していると聞いたときには、InDesignでのサポートは「入出力のみIVSに対応して、内部的にはOpenTypeタグで統一」ということになるのではないかと予想していた。これなら事態はもう少しシンプルだったような気がするのだけれど。