Apple製Mail間の文字化け
- 「Mail」という名前のついたApple製のメーラー間での典型的な文字化けを、ズバッと一覧表にできないかと考えた。結局、わかりやすい表にはならなかったけど(というか、ひどくわかりにくい話になった気がするが)、とりあえず公開。
- 下図は、Mac OS Xの各バージョンのMail、iPhone Mail*1、iPad Mail、MobileMeのウェブメール、そして(Mac以外のメーラーの代表として)Windowsメール*2で、本文を「①あ」としたメールを送信・受信したときの化け方*3。(HTMLメールしか送信できない)MobileMeのウェブメール以外は、すべて標準テキストメールでテストした。サンプルテキストに「あ」を入れてあるのは、全化けか部分化けかを確認するため。下図ピンク地は全化け、黄色地は「①」のみの文字化け。
- 上図ピンク地の全化けについては、「iPhoneからMacに送ったメールの文字化け(まとめ)」で述べたとおり。それ以外の文字化け(黄色地)は、すべてISO-2022-JP方言の解釈をめぐるものである。Mac OS X 10.4のMailはISO-2022-JP外字をすべてゲタ(U+FFFD)として表示する。MobileMeのウェブメールとWindowsメールはISO-2022-JPをWindows方言として解釈する(Mac方言を解釈しない)。
- MacOS X 10.5、10.6、iPadのMailは、方言の自動判別機構を備えている。Mac方言の「①」はWindows方言と衝突しないので、問題なく自動判別できる。一方、Windows方言の「①」はMac方言と衝突するので、方言の自動判別がMac優先である場合には「㈰」に化ける(赤枠の例)。
- 下図は、他の条件を変えずに本文を「㈱あ」としたもの。Windows方言の「㈱」はMac方言と衝突しないので、問題なく自動判別できる。ただし、Mac OS X 10.5のMailは、Windows方言だと判断した文字をデコードすることなくゲタ(U+FFFD)として表示する(下図青枠の例)。Mac方言の「㈱」はWindows方言と衝突するので、方言の自動判別がWindows優先である場合には「⑭」に化ける(下図赤枠の例)。
- 最後に、メール本文におけるISO-2022-JP方言の解釈についてまとめておく。1世代前となるMac OS X 10.5のMailがMac方言優先なのは、そのまた1世代前のMailとの互換性という点で理解できるが、今年になってリリースされたiPadのMailがMac方言優先の処理をするのはおかしいと思う。