ダッシュの扱いをめぐるMailの歴史
- WindowsとMacでマッピングの異なる文字は、JIS X 0208の範囲では、下図のとおり。Apple Mailはこれらの扱いに関して迷走を続けている。
- Mac OS X 10.5 LeopardまでのMailは、Unicode(Mac OS Xにおける表示)とISO-2022-JPの変換を行うのに、Mac式のテーブルを使っていた。WindowsのメーラーはWindows式のテーブルを使い、MacのMailはMac式のテーブルを使う。そういう意味では、比較的シンプルな世界だった(下図)。
- Snow LeopardのMailは、charset=ISO-2022-JPで送られてくるWindows外字を表示するようになった。この仕様変更にともなって、受信したメッセージの解釈にWindows式のテーブルを使うようになった。その一方で、メッセージを送信する際の変換にはこれまでどおりMac式のテーブルが使われるため、ダッシュなどを含むメッセージを引用して返信するとcharset=UTF-8になる、という問題が発生した(下図)*1。
- LionのMailでは、おそらくこの問題を解決しようとした結果だと思うが、かえってわけのわからないことになっているのは、前回のエントリで述べたとおり(下図)。
- 下図は、LionのMailにおけるダッシュの扱いをまとめたもの。「表示はWinテーブル、送信はMacテーブル」という仕様は、Snow LeopardのMailと変わっていない。U+2014 EM DASHを含む新規メッセージはcharset=ISO-2022-JPで、U+2015 HORIZONTAL BARを含む新規メッセージはcharset=UTF-8で送信される。ここまでは、Snow LeopardのMailと同じ。ただし「ISO-2022-JP(またはISO-2022-JP-2)のメールへの返信」にU+2015 HORIZONTAL BAR(Windows式のマッピングの文字)が含まれていた場合、UTF-8ではなくISO-2022-JP-2で送信される。