バニーガールはダンスがうまく踊れない
- わあお、鼻血ですか? だいじょうぶですか?
- うん。ちょっと気になることがあって、バニーガールについて調べててさ。ウェブで画像検索してたら、なぜか鼻から血が……。
- あー。
- で、この絵文字なんだけどね。
- バニーガールだね。Appleカラー絵文字で表示したU+1F46F WOMAN WITH BUNNY EARS。
- でしょうね。けど、変です。
- ま、そう言うなって。事情があるんだよ。なにもそんなふうに、せんとくんのご家族ですかとか、鬼姉妹だとか、どうしてバニーなのに半そで着てんのとか、目が笑ってないぞとか、横綱みごとな土俵入りでしたとか、見たら鼻血が引っ込んだとか言わなくてもさあ……。
- せんとくんしか言ってませんけどね。その、事情ってなんですか?
- けっこう大きいですね。
- 大きいね。でも、たとえばエディタなりブラウザなりで文字サイズを少しずつ大きくしていったとき、あるサイズを境界として絵がガラッと変わったらおかしいでしょ。そうすると、160×160ピクセルの絵では、小さいサイズで描いた絵の輪郭に縛られたまま、細部の陰影とかばかりがリッチになって、不思議な印象になっちゃうんだよね。
- それはわかります。でも、そういう事情なら、バニーちゃん以外の絵文字でも同じですよね?
- 同じなんだけどさ*1。この字はもともと、小さいサイズで表現するには複雑すぎるモチーフだから、大きく描いた絵の不自然さが目立つんだろうね。2人じゃなくて1人とか、顔だけとかだったら、そうはならなかったんだろうけど。
- そうですね。顔だけだったら、ウサミミをのびのびとウサミミらしく描けたのに。
- えーっ。
- だから、どうしても2人の全身が必要だったわけ。でさ、SoftBank絵文字の「ラインダンス」は、動くんだよ。たぶんこれ、「バニーちゃん」とか「クラブ」とか「ステージ」とかを表す文字というよりは、「にぎやかし隊」みたいな用途を想定してSoftBank絵文字に入ってるんじゃないかな。つまり、こんなかんじ。
やっほーい!
- あー。
- こういう、アニメーションがキモの絵文字を、動かない絵文字で表現しようとしても、かなり無理があるわけで。
- 確かに。
- で、それをAppleカラー絵文字でやると……。
- あー。
*1:OS X Lion 10.7.3/iOS 5.1で追加された絵文字は、最初から大きいサイズで表示されることを意識したデザインとなっている。具体例については「OS X Lion 10.7.3のAppleカラー絵文字がすごい!」を参照。