モリサワStd・Pro・Pr5・Pr6の違い
- 一般にOpenTypeフォントにおけるStd、Pro、Pr5、Pr6の違いは「文字数」だが、それ以外にもマッピングの違いが存在する可能性がある。ちょっと必要があってモリサワ・フォントについて調べてみたので、メモ。ただし、網羅的に検証したわけではないので、あくまで参考程度に。また、以下煩雑になるのでいちいち断らないが、対象をモリサワ・フォントに限定した話という前提で。
- StdとProのcmapテーブルのバージョンは、たぶんいずれもUniJIS-UCS2-H 12.001相当。なので、両者のあいだには互換性の問題はなさそう。
- ProとPr5のマッピングの違いには、Pro(AJ14)には含まれないCID+15444以降への単純なマッピングの追加(下図1行目の例)以外に、グリフが変化する例(2行目)、Pr5ではマッピングが削除された例(3行目)、Proがすでに含んでいたグリフにPr5でマッピングが追加された例(4行目)がある。このうち「CID+15444以降への単純なマッピングの追加」以外をリストアップしたPDF(https://dl.dropboxusercontent.com/u/50939295/moji_memo/Morisawa_cmap_131103.pdf)を作成した。
- Pr6のcmapテーブルのバージョンは、たぶんUniJIS-UTF32-H 1.008相当。Pr5とPr6のマッピングの違いには、グリフが変化する例やPr6でマッピングが削除された例は存在しない。Pr5がすでに含んでいたグリフにPr6でマッピングが追加された例については、前述のPDFで。
*1:CMapの種類やバージョンについては「OpenTypeフォント用のCMapの4つの系統」「CMapのバージョンの違い」あたりも参照されたい。
*2:ProとPr5の違いについては、モリサワから資料(http://www.morisawa.co.jp/font/support/download/psvatl000000co9j-att/Pro-Pr5JikeiHenkoh.pdf)が公開されているが、わたしにはこの資料の内容が理解できない。