iPhone絵文字についてUnicodeの視点からまとめてみた

  • LionのAppleカラー絵文字を目前にして、その基礎となるであろうiPhone絵文字のことを知っておこうというのが、今回のテーマ。
  • いまの段階では、iPhone絵文字は主にSMS/MMSなどシフトJISの世界で使われるものだが、Unicodeで表現することもできる。iPhoneでは、文字化けを防ぐために、絵文字キーボードは絵文字が使えるシーン(シフトJISの世界)でしか出てこないようになっている。しかし、たとえばSMS/MMSで絵文字を入力した上でクリップボードにコピーし、Unicodeの世界に連れてくることは可能である。
  • Unicodeでは、iPhone絵文字は基本的に私用領域(PUA)の符号位置で表現される。それに加え、日本のケータイ絵文字がUnicodeに収録されたことを受けて、iOSはこちらの(PUAではない)符号位置もサポートしている。おそらくiOS 5では、PUAではない符号位置のほうがデフォルトになるものと思われる。
  • ほとんどのiPhone絵文字は通常の符号位置で表現できるが、1文字だけ例外がある。「109」は、Unicodeに収録されなかったため、PUAでしか表現することができない*1


  • iPhone絵文字はSoftBank絵文字と互換性を持っている。ただし、SoftBank絵文字には動くものが含まれるのに対して、iPhone絵文字は動かない。このため、動きによってのみ区別されるSoftBank絵文字のペアに対しては、iPhone絵文字は同じものが割り当てられている。


  • たとえばSoftBank絵文字には動く疑問符と動かない疑問符があるが、それらをiPhoneに送信すると、いずれも動かない疑問符となる。逆にiPhoneから動かない疑問符を送信した場合、SoftBank絵文字では「動く」疑問符となるのがおもしろい。同様にiPhoneから送信した動かない感嘆符はSoftBank絵文字では動く感嘆符となり、星はまたたく星となる*2
  • iPhoneではもちろんPUAの絵文字は絵文字として表示されるが、通常の符号位置を用いるUnicode絵文字には、iPhone絵文字以外の文字として表示されるものがある。下図は、横に並んだ文字のうち左がPUA、右がUnicode絵文字の符号位置で表現したもの*3

*1:豆知識な。

*2:uakiraさん(日本語練習中)にご協力いただいてテストしました。ありがとうございます!

*3:Unicode絵文字による「電話のボタン」と「国旗」が正しく表示されていないのは、結合シーケンスによる絵文字がまだサポートされていないため。ただし、アプリケーションによっては表示できることもあるようだ。