iOS 5の絵文字はどこが変わったのか

  • iOS 5では、絵文字の仕様が大きく変更された。具体的には、どこがどう変わったのだろう。
  • 最も根本的な変更点は、絵文字パレットから入力されるのが、私用領域ではなくUnicode絵文字の符号位置になったこと*1。これにともない、Unicode絵文字の符号位置を持たない(Unicodeに入り損ねた)渋谷109の絵文字(下図)が、文字パレットから消えた。


  • docomo/au互換のモノクロ絵文字が追加された*2(下図)。これは、Lionで追加されたものと同じ。auiPhoneを考慮すると欠かせない拡張であり*3、将来のバージョンではカラー化されるものと思われる。


  • カラー絵文字のデザインが、いくつか変更された。見落としがあるかもしれないが、変わったのは、たぶん以下に示した19文字だろう。下図を見れば明らかなように、Unicode(特に文字名)との整合が図られている。



  • U+1F3AB TICKETあたりは特に変えなくてもいいのではないかという気もするが、平成19年10月20日発行「本本」駅から510円区間(小児250円)の切符(下図)は、消えていくこととなった。


  • Appleカラー絵文字はアニメーションしないので、Softbank絵文字における「動きによる区別」を表現できず、iOS 4までは2つの文字(符号位置)のグリフが同じになっている例があった。iOS 5でデザインが変更された絵文字のうち、疑問符、感嘆符、星が、それ(下図)。


  • iOS 5の変更により、疑問符、感嘆符、星が区別できるようになった以上、iOS 4から変わっていないほうのグリフ(赤い疑問符、赤い感嘆符、きらめき表現のない星)も絵文字パレットから選べたほうがよいと思うが、そうなっていない。
  • 符号化された文字には、△○◇☆など名前に「WHITE」と付くものが多い。もちろん「塗りつぶされていない」という意味だが、それをカラー絵文字で表現した結果、本当に「白い疑問符」や「白い感嘆符」になってしまっているのがおもしろい。ちなみに赤い疑問符(U+2753)の名前は「BLACK」を含むが、こちらは黒に変更されたりはしていない。
  • 下図の文字(これがすべてではないだろうけれど)については、以前と比較してデザインが変わっているようだが、その変更はiOS 5以前になされたものと思われる。


  • 今回、絵文字のデザイン変更をしつこく探した経験から、「Appleカラー絵文字はサイズなどによって絵が変わることがある」という発見をした。Lionの場合、32ptと33ptの間が境界となるようだ*4iPhoneの絵文字パレットでは「小さいサイズ用」のほうが表示される。まぎらわしいが、下図のような違いは、バージョンアップにともなうデザインの変更ではない。

*1:iOS 4Unicode絵文字に対応してはいたが、絵文字パレットから入力されるのは、私用領域の符号位置だった。

*2:モノクロ絵文字は、「送られてきた絵文字を表示するためのもの」という位置づけだと思われる。これらを入力するための仕組みは提供されていない。

*3:ただし細かく言うと、モノクロ絵文字を加えても、auの絵文字のうち4文字は表現できない。詳しくは「Lionでサポートされていないケータイ絵文字」を参照。

*4:@kawabataさんのご教示によると、Appleカラー絵文字には、20、32、40、48、64、96、160の7種類のサイズの絵が入っているそうです。