MacとWindowsの半角とか全角とか

  • MacWindowsでは「全角」「半角」「プロポーショナル」などに関する「常識」が、しばしば食い違う。今回は、このあたりについて見てみようと思う。
  • 以下便宜的に、「半角英数」などの呼称は、Microsoft IMEの表示に倣うこととする。具体的には、Unicodeの「基本ラテン文字」ブロックに収録されているアルファベットや数字などを「半角英数」(Macでの呼称は「英字」)、Unicodeの「半角・全角形」ブロックに収録されているアルファベットや数字などを「全角英数」(Macでの呼称は「全角英字」)、JIS X 0208をソースとしてUnicodeの「カタカナ」ブロックに収録されているカタカナを「全角カタカナ」(Macでの呼称は「カタカナ」)、Unicodeの「半角・全角形」ブロックに収録されているカタカナを「半角カタカナ」(Macでも同じ)と呼ぶ。
  • MacでもWindowsでも、等幅フォント(下図ではOsaka等幅とMSゴシック)の振る舞いは変わらない。一方プロポーショナル・フォントの場合、ヒラギノでは「半角英数」だけがプロポーショナルで表示されるのに対して、MS Pゴシック(およびMS P明朝)では「半角英数」、「全角英数」、「半角カタカナ」、「全角カタカナ」、「ひらがな」がプロポーショナルとなっている*1。つまりMS Pゴシックでは、英数字とカタカナには「幅が広いほう」と「幅が狭いほう」の2種類のプロポーショナル文字が存在している。


  • Windows Vistaに搭載されているメイリオもプロポーショナル・フォントだが、上図に掲げた文字の範囲内では、ヒラギノAdobe-Japan1フォント)と同様、「半角英数」だけがプロポーショナルで表示される*2
  • 朝日新聞読売新聞毎日新聞のサイトでは、見たところ記事中の英数字は基本的に「全角英数」に統一されており、ヒラギノメイリオで表示すると間延びした印象である。おそらく表示用のフォントとしてMS PゴシックまたはMS P明朝を想定しているのだろう。今後メイリオが普及していくと考えると、新聞各社のサイトはいずれかのタイミングで、「全角英数」から「半角英数」へと乗り換えることになるのだろうか。

*1:ヒラギノMS Pゴシックなどの「半角英数」のうち数字だけを見ると幅が等しく、加えてMS Pゴシックの数字は半角幅なのだが、図では数字とアルファベットをまとめてプロポーショナルとして扱っている。

*2:ただしメイリオでは、ギリシア文字とキリル文字がプロポーショナルとなる。詳しくは「メイリオのギリシア文字とキリル文字」を参照。